
不動産投資を始めると、空き室対策に「サブリース」契約が利用できることを知る人が多いでしょう。
名前だけは知っているけど具体的な仕組みについてはわからないという人も多いかもしれません。
今回は、空き室対策として利用されているサブリース契約の具体的な内容とそのメリット・デメリットについて解説していきます。
不動産投資でサブリース契約は果たして重要なのかどうか、初心者はもちろん、サブリース契約について検討している人も是非参考にしてみてくださいね。
Contents
不動産投資におけるサブリース契約の仕組みとは

サブリースというのは、サブリース会社がオーナーから物件を借り上げして入居希望者へいわゆる又貸しするというもの。
サブリース契約をすると入居者の募集から物件の管理、家賃の回収まですべて含めてオーナーの負担になりやすい経営管理をサブリース会社がしてくれます。
この契約をすることによって、サブリース会社に物件の権限をすべて渡す代わりにオーナーは家賃保証を得ることができるのです。
会社側は物件の権限を持つことができる、オーナーは家賃保証を得ることができるという双方のメリットがあることによって成り立つ契約の仕組みとなっています。
不動産投資でサブリース契約をするメリット

サブリース契約をするメリットにはどのようなものがあるのか見てみましょう。
メリット①空き室リスクを避けられる
不動産投資をするうえで、リスクはつきものです。
特に、空き室リスクはどの不動産タイプでも大きなリスクとなってきます。
空き室ができれば収入を得ることができず、支払いのみが増えることになるのです。
さらに空き室が数か月続けば支払いが追い付かなくなり最悪の場合、不動産物件を取り押さえられてしまうことも。
サブリース契約をすることによって、空き室が出たとしても毎月一定の家賃収入が振り込まれるため空き室におびえることがないのです。
メリット②管理の手間がかからない
サブリース契約を結ぶことによって、オーナーの手間になりやすい管理業務をすべてサブリース会社に任せることができます。
入居者とやり取りする手間や物件を手入れする手間などもすべてかかりません。
一切まかせっきりで家賃収入を得ることができるため、時間的にも精神的にも余裕が生まれます。
メリット③確定申告がラクチン
サブリース契約をすることによって、決まった保障賃料の支払いがされるため、確定申告時に面倒な計算をする必要がなくなります。
確定申告の計算は意外と時間がかかったりするため、面倒な作業がなくなるのは良いメリットですね。
不動産投資でサブリース契約をするデメリット

メリットがあればデメリットもあります。
続いて、不動産投資でサブリース契約をするデメリットについて解説します。
デメリット①収益が少なくなってしまう
サブリース契約をすると、サブリース会社に手数料を支払わなくてはいけなくなります。
一般的には手数料は家賃の10~15%程度。
契約時にきちんと手数料を確認しておきましょう。
入居者が支払うことになる敷金や礼金、更新料などはオーナーの取り分ではなく、サブリース会社の取り分に。
普通に自分が運用する場合に比べ、サブリース契約を結んだ場合の収益は家賃の85%程度です。
デメリット②自由に家賃設定ができない可能性も
自分で運用すれば家賃は自分の好きなように設定できますが、サブリース契約を結べばサブリース会社にすべての権利を渡すことになるため、もちろん家賃設定も自由にできなくなってしまいます。
周囲の住環境や家賃相場の変動に合わせて、会社側が家賃を設定していくことになるため高くなることもあれば安くなってしまうこともあるのです。
家賃が安くなってしまえばその分オーナーの収益も減ることになります。
デメリット③サブリース会社のトラブルに巻き込まれてしまうリスクも
サブリース会社のトラブルに巻き込まれ、不動産投資に失敗してしまうケースも稀ではありません。
中には、サブリース会社が倒産してしまったというケースもあります。
万が一会社が倒産してしまった場合には、オーナーが賃貸契約を引き継ぐことになりますが、退去時に用意されていた原状回復用の敷金などは引き継げない可能性が高いのです。
これによって、不動産投資ローンの返済が困難になってしまい、結果的に不動産投資に失敗してしまうこともあります。
不動産投資でサブリース契約をするときは注意して!サブリース会社選びのポイント

サブリース契約で失敗しないためにも、サブリース会社選びのポイントを押さえておきましょう。
どのようなポイントに気を付けてサブリース会社選びをすればよいのか解説します。
ポイント①信頼度や経営状態を重視
サブリース会社選びでまず見るべきところは信頼度と経営状態。
サブリース会社の中には、過去にマイナス的な面でニュースに取り上げられているようなところもあります。
そのような会社は絶対に避けるべきです。
大手不動産会社だから大丈夫と判断するのは早計で、大手の場合はサブリース契約を下請けの会社に一任しているところも少なくありません。
口コミや評判などをよく調査して本当に信頼度の高い会社かどうかを判断しましょう。
ポイント②物件価格や家賃設定が適正かどうか
物件価格や家賃設定がそのエリアの相場とマッチしているかどうかをチェックしましょう。
あまりにも安すぎる、または高すぎる価格設定となっている場合は要注意。
これと併せて、保証金額や手数料についても確認しておくと安心です。
ポイント③契約期間・解約条件をチェック
契約期間や解約条件は必ずチェックしておくべき項目です。
もしサブリース契約を解約しないという絶対的自信があったとしても、後々様々な原因で契約の解除を検討するときが来るかもしれません。
物件の売却をしたいとなったら契約期間の終了を狙うのも一つの方法です。
ポイント④家賃保証のない期間をチェック
サブリース会社によって、それぞれ異なる免責期間(家賃保証のない期間)を設定しています。
一般的には1か月から3か月程度です。
後から振り込まれないと慌てないためにも、事前にきちんとチェックしておきましょう。
まとめ
サブリース契約は空き室リスクがなく、メリットの多い契約ではありますが、不動産投資会社選びに手を抜かなければ充実したアフターフォローを受けることもできます。
すべての管理をしてくれるアフターフォローをしてくれるような不動産投資会社もあるため、まずは信頼できる不動産会社選びをすることが大切です。